第6回「カタチを変えていくものの話」

2020.07.16

またまた、日があきまして更新が雨の季節になっておりました。
通勤路に咲くあじさいはゆっくりと、それでも確実に色を変えていき日々の経過を思わせます。
雨の季節の次は太陽の季節だ、なんて思いながら今日も傘をひろげ、
濡れた地面を急ぎ足で歩くこの頃です。

 

さて、気を取り直しまして。
はじまります、不思議コーナー「映えない話」第6回です。
今回ご登場いただくのはこの方です。じゃん。

「ランプ」です。
詳細に書き直すと「吊りランプだったもの」ですね。
(少しサイズが大きいので写真はランプの一部で失礼します)

 

出会った時から、ご縁があってお譲り頂いた時からこのかたち。
本来ならば他にも“傘・火屋・燈芯”などと「吊りランプ」を構成
する仲間たちがもりだくさん。
活躍をしていた頃は明治時代頃です。
明治のはじめ、明治15年には日本で電灯が初めて登場しましたが
一般家庭に登場するのは明治末頃のこと。
昭和になっても各地で石油ランプが使用され続けていた様子で、
こちらもその時代の暮らしの中で使用をされていたものとお話を
伺っています。
暮らしの中で、時が経つにつれてこのかたちに。
「吊りランプ」を構成した仲間たちはきっと立派にお役目をつとめたのでしょうね。

 

「本来の使い方はできなくなってしまったけれど。」お話を頂いた方の言葉を思い出し、ふと思い立ち、立ち上がります。

“つる”を濡れた布で優しく拭き、油壷を丁寧に洗います。
風通りの良いところに置いて乾かした後に壺の中に水を少々。
そこに季節のみどりを添えてみれば…。

簡単なものですが掛けることも置いて飾ることもできる花入れに。
火を灯して使う、本来の使い方とはいきませんがカタチを変えて
こうして側に置いてみるとこれはこれでいい感じです。

 

本来のままを飾っても、使うカタチを変えてみても大事にされてきた
ものたちを側に置いてみる。
この空間が心地いいのかな、好きなのかな、なんて。
骨董も古道具も暮らしの中にもっと取りいれていけたらなぁ…。
自室ももう少し片付けて、古道具スペースを作ろうかしら。
そんなことを思う今日この頃でした。

 

ということで今回はここまで。
「映えない話」お付き合いいただきありがとうございました。

 

miu
「一輪挿し(吊りランプだったもの)」

 

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