第15回「さりげないこころづかいに触れて」
みなさんお変わりなくお過ごしでしょうか。
お久しぶりです。miuです。
段々と寒さが増し、澄んだ夜空に星が綺麗に輝くようになりましたね。
帰り道、空を見上げながら帰るのが楽しみになるのと同時に
朝晩の澄みきった、透きとおった空気に背筋がしゃんと伸ばされるような、
そんな感覚を覚えながら日々を送っています。
そんな空気が漂う季節の中。
今回紹介…観察していくのはこちら。
透きとおったガラスで作られた小さな2つのペアグラスです。
このペアグラスを観察しながら、
お譲り頂いた当時のお話を交えながら独り言をつぶやいていく。
今回はそんな回にしようかなと思います。
繊細に作られ、薄い青色とピンク色に綺麗に色付けされた2つのグラス。
「これは江戸期に作られたものでね…」と以前の持ち主さまよりお話を頂きお譲りを頂いたものです。
2つを並べて置いてみるとグラス部分と持ち手・底の色が
お互いの色に入れ替わっていることがわかり、
”ペアグラス”と呼ばれていることも頷けてしまいます。
この頃のものは鉛の種類・含量によって色の違いを成していた
とのことですが、似たような色を出そうとなると
普段よりも更にひと手間がかかり工夫が必要なもの。
お互いの色を入れ替えて1組のものとして成り立つように。
誰かに喜んで使ってもらえるように。
様子を見ながら、少しずつ調節をされながら1つ1つ手作業で丁寧に作られていた
当時の情景を思い浮かべてしまうのと同時に
両者のグラス背丈にも多少の違いが出ていることに気が付いて。
当時作られた方の遊び心が垣間見られるような気がして
思わず微笑んでしまいました。
お譲り頂いた際に「これも一緒に持って行って。お願いね」と
包み手渡されたこちらの木箱も。
当時のものが直されて継がれてきたものなのか、
いつか、どこかで新調されて今に至ったものかもわかりませんが、
しっかりと中で区切られ、2つのグラスを大切にしまっておけるように。
2つを決して離れ離れにしないようにという思いが
込められている気がして。
今回の観察を通して
丁寧に作られて、守られて、継がれてきたものなのだな、
と改めて感じられた気がして。
透きとおった冬の光に2つのグラスをキラキラとかざして。
当時の方々の、継いでこられた方々のさりげないこころづかいに
思いを寄せて、想いを馳せてしまったそんな今日この頃でした。
ということで今回はここまで。
ちょっと違った形式、
miuの独り言となりましたがいかがでしたでしょうか。
また次回から表に出てこない
『映えない話』をしていきたいと思います。
『映えない話』お付き合いいただきありがとうございました。
miu
「小さなペアグラス」