こぼればえ②

2019.12.06

「こころばえ」と「あっぱれ」は同じ根の言葉だそうです。あっぱれ=天晴と云えば、また個人的な話になってしまいますが思い出す事があります。

兄弟が多く、子育てに奔走していた母親がお正月前になると決まって突然値上がりした花束をどこからか買って来て、どこにあったのか水盤と剣山を引っ張り出して、玄関に出鱈目に花を活けてしまうのです。

「さあ、お正月を華やかに厳かに迎えます」と決然と活けられた花々のその「あっぱれ」な事。冷たい水が張られた上に菊花や松や南天の堂々と栄えある美しさは、新年を寿ぐ気持ちに満ち満ちて、花の美さと同様、その水盤や剣山は年を変える、空気を替える魔法の器のように思えたものでした。

「普段とは違うものを置く事で時空間が変わる」

それを撰んで置くひと、置かれるものの不思議な力を感じたものでした。

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